主に医療用として、細胞外液欠乏時やナトリウム欠乏時の輸液用電解質溶液のベースや麻酔液・注射剤の希釈、皮膚・創傷面の
洗浄などに使用される。鼻洗浄や豊胸手術の生理食塩水バッグ法などでも利用されている。より生身の生体組織を傷つけないため
には、さらに成分を調整したリンゲル液が用いられる。ヒト以外の動物に対しても生理食塩水が調整される場合がある。
一般に哺乳類では約0.9%、両生類では約0.6%のものが使われる。研究用としては、生物の臓器や組織を一時的に生かしたまま
保持する目的に用いられる。腸内微生物など大型動物の体内の微生物も浸透圧調節の機能が低い場合が多いから、その動物用の
生理食塩水を用いて研究や観察が行われることもある。